kariya S-houseの洗面ボールは人造大理石でカウンターと一体で製作する事になりました。通常は「カウンターに穴を開けて既製の洗面ボールをはめる」という作業ですが、全て製作で作る場合は、使い勝手・空間とのバランス・作業台とのバランスなどを考慮して慎重に寸法を決めていく必要があります。
↑kariya S-houseの洗面所のプラン。家族が同時に洗面所が使えるように、一つの洗面器に対して2つの水栓がついています。学校にある手洗い場のような雰囲気です。この2つの水栓位置が空間のイメージに大きく影響する為、原寸大で水栓の模型を作り検証する事にした。最初は縮尺=1/60の図面で検証が開始され、1/30、1/10、1/5と徐々に大きくなり最終的には原寸大で検証する事になりました。
今回はその工程を紹介したいと思います。

↑プリントアウトした水栓の絵をスチレンボードに貼り付けます。
※スチレンボードとは、発泡スチロールの両面に上質紙が貼ってあるボードの事で、建築模型などで多く用いられています。

↑下絵をなぞるようにカッターで切り出していきます。

↑切り出された「絵」を立体に組み合わせていきます。コーナーの部分は表面の紙だけが残るように特殊な切り込みを入れて綺麗に納めていきます。
a not-DESIGNではこの作業を「小口だし(こぐちだし)」と呼んでいます。模型の精度が左右される大事な作業です。

↑最後にレバーハンドルを取り付けて模型完成。本当に水が出てきそう・・・。

↑こちらも原寸大でプリントされた洗面台の上に水栓を配置し、実際の使い勝手やバランスを検証します。排水口位置なども検証の対象となります。さすがに1/1(一分の一)ともなると迫力が違います。その事を感じる為にも原寸チェックは非常に大事な作業なのです。
のび部長もこの検証に加わり厳しいチェックが入ります。

のび(奥) 「いいんでないかい?」
じー(手前)「むむむ・・・あと10ミリづつ移動したらいかがでしょうか・・・。」
結局、当初の予定よりお互い10ミリづつ中央に寄せる事に決定しました。
今後、実際の完成写真もご紹介できたらと思いますのでご期待下さい。